「その氷、大丈夫ですか?」―見落とされがちな氷の衛生管理法

冷たいからといって、清潔とは限らない。

夏が近づくと、氷はあらゆる場面で登場します。アイスコーヒー、冷麺、ミネラルウォーターに浮かぶ氷の粒――私たちは日常的に氷を使っています。
でも、その氷を作った製氷機や製氷皿、最後に掃除したのはいつですか?

氷の衛生管理法
氷の衛生管理法

「冷たい=衛生的」という思い込み。
実は、氷の中には低温でも生き続ける菌やウイルスが潜んでいる可能性があります。

氷の中に潜む菌の正体

多くの人が「低温なら菌も死ぬはず」と考えます。
しかし現実には、リステリア菌やノロウイルスのように低温でも生存・繁殖する微生物が存在します。

ある研究では、氷の中に含まれたノロウイルスが3日経っても99%生存、さらに17日後でも45%が残存していたという結果が出ています。
リステリア菌に至っては–20℃でも生存し、氷が溶け始めるとより活発になります。

氷は冷たいから大丈夫――その油断が、体調不良を招く原因になるのです。

氷を安全に使うためのルール:定期的な掃除

安心して氷を使いたいなら、定期的な清掃が不可欠です。
専門家は、製氷機は最低でも2週間に1回、頻繁に使うなら週に1回以上の清掃を推奨しています。

製氷機の内部には目に見えない隙間が多く、常に湿気があるためカビや雑菌が繁殖しやすい環境です。
また、家庭用冷凍庫の氷も、時間が経つと臭いを吸収し、他の食品と交差汚染を起こすリスクがあります。

家でできる簡単な氷の衛生管理術

掃除といっても難しくはありません。
酢と水を1:1の割合で混ぜた液で氷のタンクやパイプを拭き、清水で何度もすすぎ、完全に乾かしてから再使用するだけです。

家庭の冷凍庫で作った氷も、1~2週間以内に使い切り、定期的に新しい氷に入れ替える習慣をつけましょう。
直接手で触らず、トングを使って取り出すのが基本です。

製氷皿は、使用後に流水で洗いましょう。それだけでもリステリア菌の多くは除去できます。
もし汚れや臭いが気になる場合は、米のとぎ汁に1時間ほど浸すとでんぷん成分が汚れを分解し、臭いも取ってくれます。
粗塩でこすったり、酢をかけて20分後に水で流す方法も効果的です。

氷のふりをした“菌の塊”を口にしていないか

目の前の氷、それは本当に「清潔な水」からできていますか?
どれだけ古い氷なのか?製氷機はちゃんと掃除されているのか?

氷の衛生管理は特別な技術ではなく、「掃除する」「捨てる」「素手で触らない」この3つの習慣がすべてです。

清潔な氷は、あなたの夏を安全で快適なものにしてくれます。
氷を信じるのではなく、自分の手で衛生を守ることこそが大切です。

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