安定した株式投資戦略
投資を始めて1年、口座は半分に。
そのときふと思った。
この市場で自分は、どこまで耐えられるのか?
そして気づいた。上がるものを買うのではなく、「持ち続けられるもの」を買うのだと。
この投稿は、そういう話だ。
グラフや数字ではなく、体温のある、市場で実際に生きている人の物語。
「安定した株式投資戦略」という言葉の意味を一つずつ掘り下げていく。

- 高値掴み・安値売りという罠
- 配当が語る高品質な企業
- 分散投資で損失を乗り越える力
- リバランスで生存率を高める
- 感情の制御が最大の武器
- 長期投資こそ時間の味方
- まとめ:耐える者が利益を得る
高値で買って安値で売る人たち
2021年の春。
サムスン電子の株価が9万ウォンに近づいていた頃、同僚のジュンヒョクは非常用資金をつぎ込んだ。
「15万ウォンまで行くって!」と彼は言った。実際、その可能性もありそうだった。
しかし今、その株は6万ウォン台を行き来している。
彼が失ったのはお金だけではない。投資への信頼だった。
安定した投資とは何か。
高値で買って、安値で売る失敗を避けるための「持続可能性」に基づいた戦略だ。
優良企業は常に存在するが、良いタイミングは滅多にない。
だからこそ、戦略が必要だ。例を挙げてみよう。
高品質な企業 – 配当は嘘をつかない
「安定的」という言葉は、実に曖昧だ。
だから私はこう問いかける。
「IMF危機の時でさえ潰れなかった企業は?」
そうした企業は、お金ではなく信頼を築く。
たとえばKT&G。
タバコ産業という特殊な分野でありながら、20年近く安定した配当を支払ってきた。
株価が上がらなくても、年5%前後の利回りが期待できる。
これが「高品質な企業」というものだ。
配当は決して嘘をつかない。
分散投資 – 戦場で防弾チョッキを着る方法
株式投資でもっとも愚かな言葉は、「この企業だけを信じる」だ。
信じすぎれば宗教になる。宗教は理性を越える。
2022年、カカオペイの上場直後、全財産を投じたYouTuberがいた。
「潰れるわけがない企業だ」と語っていたが、株価は半分になった。
分散投資は失敗を防ぐためではない。
失敗しても「生き残る」ためにある。
サムスン電子、SKテレコム、ハナ金融グループ、サムスンSDSなど、
業種や変動性の異なる銘柄に資産を分けるべきだ。
それは弾丸が飛び交うときに、全身に当たらないようにするための備えだ。
リバランス – 無計画な投資を防ぐ習慣
一度買った銘柄を見直さない人がいる。
「ちゃんと調べて買ったから」と。
しかし企業も産業も変化する。
リバランスは、その変化を見逃さないための「第二の目」だ。
たとえば、半導体株の比重が高すぎるなら、一部をリチウムや資源株へ移す。
業績が悪化した企業を思い切って手放し、新たに注目されている産業に目を向ける。
これは単なる売買ではない。「生き残るための戦略」だ。
感情のコントロール – 投資家にとって最も難しい課題
初めて損切りをした日、手が震えた。
「これ、売った直後に上がるんじゃ…」
そして実際に、翌日反発した。
その経験以来、私は「感情の時間」を設けている。
感情が揺れたときには、買いも売りもしない。
一晩寝てから、翌日にクリックするほうがずっと良い。
感情は、投資における最も致命的な変数だ。
市場ではなく、「自分の心」が揺れる方が、よほど危険である。
長期投資家 – 時間の味方につく
私たちはよく「ホールドし続ける」と言うが、それは意志ではなく戦略だ。
時間こそが、企業の本当の価値を明らかにする。
20年間、安定して成長した企業は、たいてい次の5年も崩れない。
時間の力は、複利のようなものだ。
少し遅れても、着実な成長は最終的に「一発勝負」よりも強い。
まとめ – 投資とは人の物語である
安定した株式投資戦略とは、利益を最大化する方法ではなく、
「損をしない方法」を学ぶ過程だ。
耐えた者にだけ、世界は利子を与える。
その場に、長く座っていること。
毎日チャートに一喜一憂しない心を持つこと。
それが、本当の「戦略」だ。
それが結局、“成功”という言葉に至る、もっとも現実的な道なのだ。