前立腺がんの画期的な治療法、末期患者の53%が完治

バイデン前大統領も診断された前立腺がん、突破口が見えてきた
2025年6月、シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で驚くべき研究成果が発表された。
前立腺がん末期の男性15人に新たな治療法が試され、そのうち53%が完全寛解に至ったというのだ。

prostate cancer treatment

このがんは、先月バイデン前米大統領も診断を受けたと公表したものと同じで、進行性かつホルモン治療が効かない「去勢抵抗性前立腺がん」だった。
転移が進行すると平均生存期間はわずか2〜3年。5年後も生き残る患者は3割に満たないとされてきた。

しかし今回の治療法は、その厳しい現実に風穴を開ける。

しかし今回の治療法は、その厳しい現実に風穴を開ける。

腫瘍を凍らせて免疫を呼び起こす、新たな戦略

治療の第一段階では、液体窒素を腫瘍に注入して一部を凍結。
これによりがん細胞の一部を死滅させ、体内の免疫系に“敵の存在”を知らせる。

次に、4種類の免疫療法薬をブレンドした「カクテル」を腫瘍へ直接注射する。
この組み合わせにより、免疫系はがん細胞を自ら認識・攻撃し始める。
治療は4週間ごとに実施され、最大12回。
MRIとPETによる検査が8週ごとに行われ、進行状況を厳密に追跡した。

予想を超える成果──8人が完治、5人が著しい改善

最初の治療からわずか24時間で、患者の血液中の免疫細胞数が急上昇。
最終的に15人中8人はがんの兆候が完全に消えた。
5人は腫瘍が劇的に縮小し、残り2人もがんの進行が停止。
誰一人として悪化した患者はいなかった。

ある患者は、骨に転移していた50個の腫瘍が全て消滅。
この治療法は、これまで到達不可能とされた場所のがんにも効果を示した。

絶望の中の光明──免疫療法の可能性を再定義する

この治療法を開発したジェイソン・ウィリアムズ医師はこう語る。
「他の免疫療法が全く効かなかった患者にも効いた」

その言葉通り、14か月経っても10人中9人が生存していた。
副作用として発熱はあったが、深刻なものは報告されていない。
むしろ、免疫が活性化されたことの証拠として前向きに捉えられている。

結論:末期前立腺がんに「終わり」はもう存在しないのかもしれない

進行性の前立腺がんは、これまで“諦めるしかない”病だった。
だがこの研究はそれを覆す。
「体そのものが治療装置になる時代」が来たのだ。

もちろん臨床試験や承認は今後も必要だが、これは医療の新たな地平線であり、
“希望”が絵空事ではなくなりつつあることを示している。

watermelontalk.

コメントする